栄養療法

いま知っておきたい”ミネラル”のこと②

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こちらの記事の続きとなります。

いま知っておきたい”ミネラル”のこと①

 

この記事では微量ミネラル・参考ミネラルについて解説しています。

 

微量ミネラル

①鉄 Fe

約70%は、赤血球にあるヘモグロビンに存在していて酸素を全身に運ぶ働きをしています。残りは筋肉、肝臓、脾臓、骨髄など貯蔵しています。その他、活性酸素の除去や免疫維持、ATPの生成に働いています。日本人女性の4人に1人は貧血といわれているので、血を作るために必要なたんぱく質、鉄、ビタミンB6・B12や、鉄の吸収を高めるビタミンCを意識した食事が貧血予防に有効です。※¹

鉄が欠乏すると

  • 貧血
  • 倦怠感
  • めまい、ふらつき
  • 消化器官の異常
  • 口腔炎症(口内炎、歯肉炎など)
  • 皮膚や爪の異常
  • 免疫力低下  など

鉄が過剰になると

  • 急性:下痢、嘔吐、痙攣
  • 慢性:肝臓などの組織に蓄積し障害を起こす
  • 活性酸素産生
  • マンガン Mnの吸収を阻害

鉄が含まれる食品

  • 肉類(レバー)
  • 魚介類(内臓、煮干し、アサリ)
  • 海藻(青のり、干しヒジキ)  など

 

②亜鉛 Zn

300種類以上の酵素の構成成分として関わっていて、その働きは全身に及びます。※²

  • 皮膚を守る
  • アレルギーの抑制
  • 正常な発育の維持
  • 免疫機能維持
  • インスリン合成・貯蔵
  • 性ホルモン・精子形成
  • 味覚・視覚の維持  など

亜鉛が欠乏すると

  • 皮膚障害(肌が荒れやすくなる)
  • 発育不全、疲労感、食欲不振
  • 学習障害
  • 免疫力低下
  • 傷が治りにくくなる
  • 味覚障害
  • 性機能低下
  • 貧血  など

亜鉛が過剰になると

  • 鉄 Fe、銅 Cuの吸収障害
  • 善玉コレステロール(HDL)の低下
  • 胃腸障害(吐き気)
  • 腎臓・膵臓障害
  • 神経障害  など

亜鉛が含まれる食品

  • 肉類(レバー)
  • 魚介類(カキ、アワビ、煮干し)
  • 豆類(そら豆、大豆、きな粉)  など

 

③銅 Cu

酵素の構成成分として代謝に関わっています。鉄 Feの吸収・運搬・代謝や、メラニン生成、コラーゲン生成、エネルギー合成、活性酸素除去、免疫機能維持、生殖機能維持など様々な代謝を行う。※³

銅が欠乏すると

  • 皮髪や肌の色素が薄くなる
  • 貧血
  • 骨粗鬆症
  • 成長障害
  • 胎児の脳への影響
  • 食欲不振
  • うつ
  • 免疫低下
  • 不妊症
  • 心疾患  など

銅が過剰になると

  • ウィルソン病(先天疾患)…肝臓に蓄積されたCuを全身に運搬する機能の欠損→肝機能障害、眼球に緑色や茶色のリングが出来る

銅が含まれる食品

  • 肉類(レバー)
  • 魚介類(タコ、イカ、カニ、エビ)
  • ナッツ類  など

 

④マンガン Mn

骨、肝臓、腎臓、膵臓、網膜、毛髪などに多く存在して、細胞のミトコンドリア内に多く含まれている。酵素を構成したり、活性化させて、性ホルモンの合成や正常な生殖機能の維持、活性酸素の除去、中枢神経の正常化の働きがある。※⁴

マンガンが欠乏すると

  • 骨の発育不全
  • 性機能低下
  • 運動機能低下
  • 糖尿病にかかりやすくなる
  • 皮膚疾患(肌が荒れやすいなど)

マンガンが過剰になると

  • 食欲不振
  • 脱力感
  • 不眠
  • 肺炎
  • 甲状腺肥大
  • パーキンソン様の精神障害

マンガンが含まれる食品

  • ショウガ
  • シソ
  • モロヘイヤ
  • ナッツ、アーモンド
  • 小麦、白米  など

 

⑤ヨウ素 I

体内の70~80%が甲状腺して、甲状腺ホルモンの主成分となる。甲状腺ホルモンとして代謝促進、エネルギー代謝の関与、成長促進の働きがあります。※⁵

ヨウ素が欠乏すると

  • 成長障害、精神発達の遅れ
  • 体力低下、肥満、脱毛、肌荒れ
  • クレチン症(先天疾患)…母親がヨウ素欠乏だと、子も欠乏症になる

ヨウ素が過剰になると

  • バセドウ病(眼球突出、手足の震え、動機、発汗、精神不安定)

ヨウ素が含まれる食品

  • 海藻類(昆布、わかめ)
  • 魚介類(イワシ、さば、カツオ)  など

 

⑥セレン Se

全身に広く分布しています。酵素の成分として、肝臓、胃、血中、下垂体に含まれています。抗酸化機能、老化防止、がんなど生活習慣病の予防、免疫力維持、デトックスなどの働きをしています。※⁶

セレンが欠乏すると

  • 克山(ケシャン病)…慢性心筋障害
  • 酸化ストレスの増加による疾患

セレンが過剰になると

毒性が強くサプリメントで過剰にとることで中毒を起こすことがあります。

  • 脱毛
  • 疲労感
  • 腹痛
  • 下痢
  • しびれ
  • 皮膚炎  など

セレンが含まれる食品

  • 魚介類(サンマ、あじ、カキ)
  • 肉類(牛レバー、とりもも)
  • 海藻類(わかめ、青のり)
  • 卵黄  など

 

⑦クロム Cr

糖・脂質・タンパク質代謝(インスリンの働きを高める、中性脂肪の減少)、コレステロール代謝、コラーゲン生成などの働きをしています。※⁷

クロムが欠乏すると

  • 糖尿病、高血圧、動脈硬化、高脂血症、高コレステロール血症
  • 成長障害
  • 角膜疾患
  • 末梢神経障害  など

クロムが過剰になると

  • サプリメント過剰摂取(Cr3+)腹痛、下痢、肝障害、造血障害、中枢神経障害
  • 工場などでの暴露(Cr6+)皮膚炎、呼吸器障害

クロムが含まれる食品

  • 魚介類(アナゴ、アサリ、うなぎ)
  • 肉類(豚ベーコン、牛レバー)
  • 海藻類(青のり、ひじき、わかめ)
  • 豆類  など

 

⑧モリブデン Mo

代謝に関わる必須ミネラルの一つで、肝臓、腎臓に存在する微量ミネラル。有害物質分解酵素の成分となり、糖質や脂質の代謝を助けたり、尿酸生成、鉄 Feの利用を高める働きをしている。※⁸

モリブデンが欠乏すると

  • 痛風
  • 結石
  • 居眠り
  • 老化
  • 頻脈
  • 頭痛
  • 夜盲症  など

モリブデンが過剰になると

  • 銅 Cuの吸収の阻害→Cu欠乏→造血力低下、貧血
  • 尿酸生成→痛風のような症状
  • 下痢
  • 胃腸障害  など

モリブデンが含まれる食品

  • 穀類(玄米、そば、白米)
  • 豆類(そら豆、インゲン、枝豆)
  • 海藻類(青のり、わかめ)  など

 

⑨コバルト Co

B12の構成成分として働いているため、コバルトの働きはB12と同様です。赤血球の生成、神経機能の維持など

コバルトが欠乏すると

  • 悪性貧血
  • 食欲不振
  • 集中力低下

コバルトが過剰になると

  • 心筋の障害

コバルトが含まれる食品

  • 魚介類(赤貝、さんま、まぐろ、カキ、あさり)
  • 肉類(レバー、ロース)  など

 

参考ミネラル

①ケイ素 Si

骨粗鬆症・動脈硬化防止や、コラーゲン・エラスチンの生成で、体内で様々なアミノ酸から生成することに不可欠なミネラルです。その他、骨形成の初期段階で骨を強くするのに関わったり、血管強化の働きをしています。シリカとも呼ばれサプリメントなどで目にすることが多いミネラルです。

ケイ素が欠乏すると

  • 爪が割れやすい
  • 抜け毛
  • 動脈硬化の進行
  • 骨粗鬆症
  • 皮膚の老化(しわ、たるみ)

ケイ素が過剰になると

  • 報告なし

ケイ素が含まれる食品

  • 玄米
  • えのき
  • アルファルファ
  • スギナ
  • 貝類
  • 豆類
  • レバー
  • ほうれん草  など

ケイ素の消耗の原因!

加工食品、食物繊維の少ない食事

 

②バナジウム  V

インスリンに似た働きで血糖値を下げる※⁹

バナジウムが欠乏すると

  • 動脈硬化
  • 肥満
  • 脱毛
  • 発育遅延

バナジウムが過剰になると

  • 慢性気管支炎
  • 神経衰弱
  • 貧血
  • アレルギー

バナジウムが含まれる食品

  • 海藻類(わかめ、昆布)
  • 魚介類(はまぐり、カキ、いわし)
  • 野菜(ほうれん草、大根、キュウリ、キャベツ)

 

③ホウ素 (臭素)B

ミネラル代謝を調節していて、ビタミンDの活性化を行っています。

ホウ素が欠乏すると

  • 関節症、骨量の減少

ホウ素が過剰になると

  • 皮膚発疹、腹痛、下痢

ホウ素が含まれる食品

  • ブドウ
  • もも

 

④リチウム Li

酵素、ホルモン、ビタミン、ミネラル、成長因子などの補助で重要な働きをしています。その他に抗躁病効果があり、躁病治療薬として取り入れられています。

リチウムが欠乏すると

  • うつ
  • カリウム、マグネシウムの働きに影響
  • 神経障害、精神障害
  • めまい、頭痛、ふるえ

リチウムが過剰になると

  • 甲状腺や心臓など多くの臓器に有害な影響
  • 多尿症
  • 運動失調

リチウムが含まれる食品

  • 魚介類(ワカサギ、あさり)
  • 海藻類(茎わかめ、ヒジキ)
  • 玄米
  • 水道水  など

 

⑤ゲルマニウム Ge

抗腫瘍作用、免疫力向上、鎮痛・抗炎症作用、放射線防御、抗酸化作用を持つ可能性が示唆されています。

ゲルマニウムが欠乏すると

  • 疲労感
  • 食欲不振

ゲルマニウムが過剰になると

  • 過剰となると強い毒性を持つ

ゲルマニウムが含まれる食品

  • ししゃもなどの魚類
  • ヒジキ  など

 

まとめ

ミネラルは生きていくうえで必須となりますが、体内で作ることが出来ず食事で摂取するしかありません。通常の食事をしていれば充分量を確保できているものも多くあります。しかし、現代においては加工食品などのミネラルが少ない食事、ライフスタイルや食生活の乱れによってミネラルが消費されてバランスが崩れ、様々な不定愁訴に繋がっていることも少なくありません。当院では、栄養状態を解析する検査や、ミネラルバランスをはかる検査を行っていますので、自分の身体の状態が気になる方は是非一度ご相談ください。

 

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参考文献

※¹鉄-eJIM(外部サイト)

※²亜鉛-eJIM(外部サイト)

※³銅-MSDマニュアル(外部サイト)

※⁴マンガン-MSDマニュアル(外部サイト)

※⁵ヨウ素-eJIM(外部サイト)

※⁶セレン-MSDマニュアル(外部サイト)

※⁷クロムMSDマニュアル(外部サイト)

※⁸モリブデン-MSDマニュアル(外部サイト)

※⁹Insulin-like effects of vanadium: basic and clinical implications(外部サイト)

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